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データで見る若手離職の現状
3年以内離職率は34.9%、過去15年で最高水準
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、2022年3月に大学を卒業した新卒社員の3年以内離職率は34.9%。前年度(34.9%)と同水準で、過去15年で最も高い水準に達しています。【出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況】
学歴別の3年以内離職率(2022年3月卒)
| 学歴 | 離職率 | 前年比 |
| 中学卒 | 50.50% | +0.1pt |
| 高校卒 | 37.90% | -0.5pt |
| 短大等卒 | 44.60% | -0.7pt |
| 大学卒 | 34.90% | -1.1pt |
現実①:約3人に1人が3年以内に離職
大卒社員の場合、10名採用しても3年後には約3.5名が離職している計算です。採用コスト・育成コストの損失は企業にとって深刻な経営課題です。
現実②:Z世代の離職率はさらに高い
OpenWorkの調査「3年以内に辞めたZ世代の入社&退職理由ランキング」では、2021年入社者の離職率は37.5%(前回比+2.6pt)と、過去15年で最高を記録。
【出典:OpenWork Z世代退職理由調査2025】
現実③:1年以内の早期離職も増加
1年以内の離職率は約11〜15%。特に「入社後のギャップ」「人間関係の不一致」が主因で、採用・育成プロセスに根本的課題があることを示しています。
離職による経営インパクト
1名の1年離職による損失:約530〜580万円【出典:Naito 早期離職コスト調査】
| 項目 | 金額 |
| 採用コスト | 70万円 |
| 給与・福利厚生(1年間) | 300万円 |
| 育成コスト(研修・OJT) | 100万円 |
| 採用担当・上司の工数 | 50万円 |
| 再採用コスト | 70万円 |
| 合計損失 | 約590万円 |
10名採用の場合の損失試算
- 3年以内離職率34.9% → 約3.5名離職
- 損失総額:590万円 × 3.5名 = 約2,065万円
離職理由トップ7とその本質
OpenWork・厚労省調査から見る離職理由ランキング
【Z世代の退職理由トップ7】(OpenWork 2025年調査・複数回答)
【出典:OpenWork Z世代退職理由調査、厚生労働省 雇用動向調査】
| 順位 | 退職理由 | 割合 | 本質的な課題 |
| 1位 | 人間関係が好ましくなかった | 42.30% | コミュニケーション不全、承認文化の欠如 |
| 2位 | 労働時間・休日等の条件が悪かった | 38.70% | ワークライフバランス、過剰労働 |
| 3位 | 満足のいく仕事内容でなかった | 35.20% | 入社前後のギャップ、業務設計の問題 |
| 4位 | 給与が低かった | 31.80% | 市場価値とのギャップ、評価制度の不透明性 |
| 5位 | 成長実感・キャリア展望がない | 28.60% | 育成プログラム不在、キャリアパス不明確 |
| 6位 | 上司・経営層との価値観の相違 | 24.10% | マネジメント力不足、ビジョン共有不足 |
| 7位 | 会社の将来性に不安 | 19.40% | 事業戦略の不明確さ、情報開示不足 |
各離職理由の本質的課題
1位:人間関係が好ましくなかった(42.3%)
表面的な問題:
上司・同僚との関係性、コミュニケーション不足
本質的な課題:
- フィードバック文化の不在(承認なき指摘のみ)
- 発達段階を無視した指導(全員同じ指導方法)
- 心理的安全性の欠如(失敗を許容しない文化)
- 孤立感(相談相手がいない、コミュニティ不在)
実例: 「上司からは『なぜできないんだ』と叱責されるばかりで、『ここができている』という承認が一度もなかった。自分には向いていないと思い、3ヶ月で退職しました。」(24歳・営業職)
2位:労働時間・休日等の条件が悪かった(38.7%)
表面的な問題:
残業時間、休日出勤、有給取得困難
本質的な課題:
- 業務の属人化・非効率性(無駄な作業が多い)
- マネジメント力不足(業務配分の偏り)
- 「頑張り」を評価する文化(長時間労働=美徳)
- 若手への過剰な負担(育成なき丸投げ)
データ: 20代の転職理由1位は「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」(44.6%)、前回27.5%から17.1pt増加。【出典:doda転職理由ランキング】
3位:満足のいく仕事内容でなかった(35.2%)
表面的な問題:
業務内容が面白くない、やりがいを感じない
本質的な課題:
- 入社前の情報不足(美化された採用広報)
- 業務設計の問題(雑用ばかり、成果が見えない)
- 裁量と責任の欠如(指示待ち業務)
- 成長機会の不足(ルーティンワークのみ)
実例: 「採用時は『企画から携われる』と聞いていたが、実際は資料コピーと会議設定ばかり。1年経っても成長実感がなく、転職を決意しました。」(25歳・営業企画)
4位:給与が低かった(31.8%)
表面的な問題:
給与水準が市場平均より低
本質的な課題:
- 評価制度の不透明性(何をすれば昇給するか不明)
- 成果と報酬の不一致(頑張っても給与が上がらない)
- 市場価値とのギャップ(同業他社との比較)
- 将来の昇給見込みが不明(先輩社員の給与を見て絶望)
データ: 新卒3年目の平均年収は約350〜400万円。同業他社と50〜100万円の差があると、転職を検討する割合が大幅に上昇。
5位:成長実感・キャリア展望がない(28.6%)
表面的な問題:
スキルアップできない、キャリアパスが見えな
本質的な課題:
- 育成プログラムの不在(OJTのみ、体系的な研修なし)
- お手本となる先輩・上司の不在
- キャリアパスの不明確さ(3年後・5年後のイメージ不可)
- 成長の承認不足(できるようになったことを評価されない)
実例: 「入社3年目になっても『見て覚えろ』のOJTのみ。先輩も忙しく、質問できる雰囲気ではない。このままでは市場価値が上がらないと感じ、退職しました。」(26歳・営業職)
6位:上司・経営層との価値観の相違(24.1%)
表面的な問題:
上司の考え方が合わない、経営層との距
本質的な課題:
- マネジメントスキル不足(プレイングマネージャー化)
- ビジョン・ミッションの不明確さ(何のために働くか不明)
- 承認と指導のバランス欠如(叱責のみ、承認なし)
- 発達段階を無視した指導(全員一律の指導方法)
7位:会社の将来性に不安(19.4%)
表面的な問題:
業績悪化、事業縮小、競合優位性の喪
本質的な課題:
- 事業戦略の不明確さ(経営層が語らない)
- 情報開示不足(若手に経営情報を共有しない)
- 変化への対応力不足(新規事業・DX推進の遅れ)
- 若手の意見を聞かない文化(トップダウン一辺倒)
表面的な施策が失敗する理由
よくある失敗パターン
失敗①:福利厚生の充実だけで解決しようとする
施策例:社員食堂、フィットネス補助、リモートワーク導入
失敗理由:
- 離職の本質は「人間関係」「成長実感」「承認」の欠如
- 福利厚生は「不満足要因」の解消であり、「満足要因」ではない
- 育成文化がない限り、離職は止まらない
データ: OpenWorkの調査で、若手社員が「離職を選ばなかった理由」の1位は「有給休暇を取りやすいから」(48.2%)だが、これは離職を防ぐ最低条件であり、定着の決定要因ではない。
失敗②:給与アップだけで解決しようとする
施策例:初任給5万円UP、賞与増額
失敗理由:
- 一時的に離職率は下がるが、根本解決にはならない
- 「成長実感」「承認」が得られない環境では、結局転職を選ぶ
- 市場価値とのギャップは、給与だけでは埋まらない
実例: IT企業A社は初任給を30万円→35万円に引き上げたが、3年以内離職率は40% → 38%とわずかな改善にとどまった。離職者の多くは「成長実感がない」「上司との関係」を理由に挙げた。
失敗③:1on1面談だけで解決しようとする
施策例:週1回の1on1面談制度導入
失敗理由:
- 面談の「やり方」を教えていない(上司のスキル不足)
- 評価面談化している(承認ではなく課題指摘のみ)
- 発達段階を無視した指導(全員同じフィードバック)
- 面談後のアクションがない(話して終わり)
成功のポイント: 1on1は「ツール」であり、「育成文化」「承認文化」がベースにある前提で機能する。
失敗④:メンター制度だけで解決しようとする
施策例:若手社員1名に先輩社員1名をメンター配置
失敗理由:
- メンターの育成スキルが不足(教え方を知らない)
- メンター自身が多忙で機能しない
- メンター・メンティの相性が合わない
- 制度だけ作って運用が形骸化
成功のポイント: メンター制度は、メンター自身の育成と**育成理論(発達段階に応じた指導)**がセットで必要。
失敗⑤:研修プログラムだけで解決しようとする
施策例:外部研修の受講、eラーニング導入
失敗理由:
- 研修と実務が連動していない(座学で終わる)
- 研修後のフォローアップがない
- 成長を承認する文化がない(できても評価されない)
- 研修内容が発達段階に合っていない
成功のポイント: 研修は「育成文化」の一部であり、実務との連動、段階的な成長設計、承認文化がセットで必要。
育成設計という根本解決
なぜ育成設計が根本解決なのか
離職理由トップ7の共通項
- 人間関係 → 承認文化の欠如
- 労働条件 → 業務設計の問題
- 仕事内容 → 業務設計の問題
- 給与 → 評価制度の不透明性
- 成長実感 → 育成プログラムの不在
- 上司との相違 → マネジメントスキル不足
- 将来性 → キャリアパスの不明確さ
すべての原因は「育成設計の不在」に集約される
リラクション育成理論:成人発達理論に基づく4段階モデル
株式会社リラクションは、ロバート・キーガンの成人発達理論を基に、学生・若手社員向けに最適化した独自の4段階育成モデルを開発しました。
【参考:成人発達理論解説(C-BASE)】
成人発達理論とは
ハーバード大学のロバート・キーガン教授が提唱した、大人の発達段階を5段階に分類する理論。各段階で認知・価値観・行動が異なり、発達段階に応じた育成・フィードバックが必要とされます。
育成設計の3原則
原則①:発達段階に応じたフィードバック
NGパターン:
- 段階1の社員に「自分で考えて」(→混乱する)
- 段階3の社員に「言われたことだけやれ」(→やりがい喪失)
OKパターン:
- 段階1 → 具体的な手順を示す
- 段階2 → 目標を設定し、達成方法は任せる
- 段階3 → チームの期待を示し、役割を任せる
- 段階4 → ビジョンを共有し、裁量を持たせる
原則②:承認と課題指摘のバランス
発達段階別の比率
| 段階 | 承認 | 課題指摘 | 比率 |
| 段階1 | 80% | 20% | 4:01 |
| 段階2 | 70% | 30% | 7:03 |
| 段階3 | 50% | 50% | 1:01 |
| 段階4 | 40% | 60% | 4:06 |
重要:段階1で課題指摘が多いと、自己肯定感が下がり、離職リスクが急増します。
原則③:段階的な業務設計
段階1:簡単な業務から
- アポ取り、データ入力、資料作成サポート
- 成功体験を積ませることが最優先
段階2:成果が見える業務へ
- 商談同行、リード育成、簡単な提案
- KPI設定、目標達成の経験
段階3:裁量のある業務へ
- 単独商談、顧客管理、チームリーダー
- 他者と協働する経験
段階4:マネジメント業務へ
- 後輩育成、プロジェクトリーダー、戦略立案
- 自己実現と組織貢献の両立
長期インターンから始める育成文化の構築
なぜ長期インターンが育成文化構築の起点になるのか
理由①:育成前提でしか成立しない
新卒採用との違い
- 新卒:即戦力化を期待しがち(OJTのみ)
- 長期インターン:育成前提でないと機能しない
結果:
- 研修プログラム整備
- 発達段階に応じた指導
- 承認文化の醸成
- マネジメント育成
→ これらが構築されると、新卒採用にも適用可能になる。
理由②:学生同士で育成する文化が生まれる
リラクションの実践例
- 学生営業組織約30名を運営
- 1年生→2年生→3年生の縦の関係
- 上級生が下級生を育成する文化
- 新人→リーダー→マネージャーの等級制度
効果:
- 育成スキルが組織に蓄積される
- 上級生自身が成長する(教えることで学ぶ)
- 承認文化が自然に醸成される
- 社員の育成負担が軽減される
理由③:失敗を許容する文化が作りやすい
新卒社員の場合:
- 「給与を払っているのだから成果を出せ」というプレッシャー
- 失敗を叱責されがち
- 心理的安全性が低い
長期インターンの場合:
- 「学生だから失敗は当然」という前提
- 失敗を学びの機会として扱いやすい
- 心理的安全性が高い
結果:
- 失敗を恐れずチャレンジできる
- 成長スピードが速い
- 自己肯定感が高まる
長期インターンから新卒採用へのステップ
Phase 1:長期インターン組織の立ち上げ(3〜6ヶ月)
やること:
- 業務設計・育成プログラム構築
- 採用・育成実践
- 発達段階に応じた指導の実践
- 承認文化の醸成
成果:
- インターン3〜5名が戦力化
- 育成ノウハウの蓄積
- マネジメント層の育成スキル向上
Phase 2:育成文化の社内展開(6〜12ヶ月)
やること:
- 長期インターンで実践した育成プログラムを社員向けに適用
- マネジメント層への育成理論研修
- 承認文化の全社展開
- 発達段階に応じた評価制度の構築
成果:
- 新卒社員の定着率向上
- 既存社員のエンゲージメント向上
- 育成文化の定着
Phase 3:新卒採用への適用(12ヶ月〜)
やること:
- 新卒採用プロセスに育成設計を組み込む
- 内定者フォローでの育成理論適用
- 入社後研修での発達段階別プログラム
- 長期インターンからの正社員採用
成果:
- 新卒3年以内離職率の大幅低下(34.9% → 10%以下)
- 採用コストの削減(長期インターンからの採用)
- 即戦力化(インターンで既に戦力化済み)
まとめ:若手離職を防ぐ本質的対策
若手離職の本質は「育成設計の不在」
離職理由トップ7の共通項:
- 人間関係 → 承認文化の欠如
- 労働条件 → 業務設計の問題
- 仕事内容 → 業務設計の問題
- 給与 → 評価制度の不透明性
- 成長実感 → 育成プログラムの不在
- 上司との相違 → マネジメントスキル不足
- 将来性 → キャリアパスの不明確さ
すべては「育成設計」で解決できる
育成文化構築の3ステップ
Step 1:育成理論の学習
- リラクション育成理論(成人発達理論ベース)
- 発達段階別の育成・フィードバック方法
- 承認と課題指摘のバランス
Step 2:長期インターンでの実践
- 小さく始める(3〜5名)
- 育成プログラム構築
- 承認文化の醸成
- マネジメント層の育成スキル向上
Step 3:全社展開
- 新卒採用への適用
- 既存社員への適用
- 育成文化の定着
- 離職率の大幅低下
今すぐできる3つのアクション
アクション①:自社の離職理由を正確に把握する
- 離職者へのヒアリング(本音を引き出す)
- 在籍者へのエンゲージメント調査
- 離職理由トップ3を特定
アクション②:マネジメント層の育成スキルを診断する
- 発達段階に応じた指導ができているか
- 承認と課題指摘のバランスは適切か
- 1on1面談は機能しているか
アクション③:長期インターン導入を検討する
- 実施可能性診断(自社が導入可能か5分で判定)
- 無料相談で具体的な導入プランを提案
- 小さく始めて、成果を見てから拡大
無料個別相談(30分)
こんな方におすすめ
- 「自社の離職理由を分析してほしい」
- 「育成プログラムの作り方を相談したい」
- 「長期インターン導入の詳細を聞きたい」
- 「リラクション育成理論を詳しく知りたい」
相談内容例
- 離職理由の分析・診断
- 育成プログラム設計サポート
- 長期インターン導入シミュレーション
- マネジメント層の育成スキル向上支援


