コラム- 株式会社リラクション

COLUMNコラム

若手社員が3年以内に辞める7つの原因と、組織がすべき本質的対策

2026.2.19 新卒採用

データで見る若手離職の現状

3年以内離職率は34.9%、過去15年で最高水準

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、2022年3月に大学を卒業した新卒社員の3年以内離職率は34.9%。前年度(34.9%)と同水準で、過去15年で最も高い水準に達しています。【出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況

学歴別の3年以内離職率(2022年3月卒)

学歴離職率前年比
中学卒50.50%+0.1pt
高校卒37.90%-0.5pt
短大等卒44.60%-0.7pt
大学卒34.90%-1.1pt

現実①:約3人に1人が3年以内に離職
大卒社員の場合、10名採用しても3年後には約3.5名が離職している計算です。採用コスト・育成コストの損失は企業にとって深刻な経営課題です。

現実②:Z世代の離職率はさらに高い
OpenWorkの調査「3年以内に辞めたZ世代の入社&退職理由ランキング」では、2021年入社者の離職率は37.5%(前回比+2.6pt)と、過去15年で最高を記録。
【出典:OpenWork Z世代退職理由調査2025

現実③:1年以内の早期離職も増加
1年以内の離職率は約11〜15%。特に「入社後のギャップ」「人間関係の不一致」が主因で、採用・育成プロセスに根本的課題があることを示しています。

離職による経営インパクト

1名の1年離職による損失:約530〜580万円【出典:Naito 早期離職コスト調査

項目金額
採用コスト70万円
給与・福利厚生(1年間)300万円
育成コスト(研修・OJT)100万円
採用担当・上司の工数50万円
再採用コスト70万円
合計損失約590万円

10名採用の場合の損失試算

  • 3年以内離職率34.9% → 約3.5名離職
  • 損失総額:590万円 × 3.5名 = 約2,065万円

離職理由トップ7とその本質

OpenWork・厚労省調査から見る離職理由ランキング

【Z世代の退職理由トップ7】(OpenWork 2025年調査・複数回答)
【出典:OpenWork Z世代退職理由調査厚生労働省 雇用動向調査

順位退職理由割合本質的な課題
1位人間関係が好ましくなかった42.30%コミュニケーション不全、承認文化の欠如
2位労働時間・休日等の条件が悪かった38.70%ワークライフバランス、過剰労働
3位満足のいく仕事内容でなかった35.20%入社前後のギャップ、業務設計の問題
4位給与が低かった31.80%市場価値とのギャップ、評価制度の不透明性
5位成長実感・キャリア展望がない28.60%育成プログラム不在、キャリアパス不明確
6位上司・経営層との価値観の相違24.10%マネジメント力不足、ビジョン共有不足
7位会社の将来性に不安19.40%事業戦略の不明確さ、情報開示不足

各離職理由の本質的課題

1位:人間関係が好ましくなかった(42.3%)

表面的な問題
上司・同僚との関係性、コミュニケーション不足

本質的な課題

  • フィードバック文化の不在(承認なき指摘のみ)
  • 発達段階を無視した指導(全員同じ指導方法)
  • 心理的安全性の欠如(失敗を許容しない文化)
  • 孤立感(相談相手がいない、コミュニティ不在)

実例: 「上司からは『なぜできないんだ』と叱責されるばかりで、『ここができている』という承認が一度もなかった。自分には向いていないと思い、3ヶ月で退職しました。」(24歳・営業職)

2位:労働時間・休日等の条件が悪かった(38.7%)

表面的な問題
残業時間、休日出勤、有給取得困難

本質的な課題

  • 業務の属人化・非効率性(無駄な作業が多い)
  • マネジメント力不足(業務配分の偏り)
  • 「頑張り」を評価する文化(長時間労働=美徳)
  • 若手への過剰な負担(育成なき丸投げ)

データ: 20代の転職理由1位は「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」(44.6%)、前回27.5%から17.1pt増加。【出典:doda転職理由ランキング

3位:満足のいく仕事内容でなかった(35.2%)

表面的な問題
業務内容が面白くない、やりがいを感じない

本質的な課題

  • 入社前の情報不足(美化された採用広報)
  • 業務設計の問題(雑用ばかり、成果が見えない)
  • 裁量と責任の欠如(指示待ち業務)
  • 成長機会の不足(ルーティンワークのみ)

実例: 「採用時は『企画から携われる』と聞いていたが、実際は資料コピーと会議設定ばかり。1年経っても成長実感がなく、転職を決意しました。」(25歳・営業企画)

4位:給与が低かった(31.8%)

表面的な問題
給与水準が市場平均より低

本質的な課題

  • 評価制度の不透明性(何をすれば昇給するか不明)
  • 成果と報酬の不一致(頑張っても給与が上がらない)
  • 市場価値とのギャップ(同業他社との比較)
  • 将来の昇給見込みが不明(先輩社員の給与を見て絶望)

データ: 新卒3年目の平均年収は約350〜400万円。同業他社と50〜100万円の差があると、転職を検討する割合が大幅に上昇。

5位:成長実感・キャリア展望がない(28.6%)

表面的な問題
スキルアップできない、キャリアパスが見えな

本質的な課題

  • 育成プログラムの不在(OJTのみ、体系的な研修なし)
  • お手本となる先輩・上司の不在
  • キャリアパスの不明確さ(3年後・5年後のイメージ不可)
  • 成長の承認不足(できるようになったことを評価されない)

実例: 「入社3年目になっても『見て覚えろ』のOJTのみ。先輩も忙しく、質問できる雰囲気ではない。このままでは市場価値が上がらないと感じ、退職しました。」(26歳・営業職)

6位:上司・経営層との価値観の相違(24.1%)

表面的な問題
上司の考え方が合わない、経営層との距

本質的な課題

  • マネジメントスキル不足(プレイングマネージャー化)
  • ビジョン・ミッションの不明確さ(何のために働くか不明)
  • 承認と指導のバランス欠如(叱責のみ、承認なし)
  • 発達段階を無視した指導(全員一律の指導方法)

7位:会社の将来性に不安(19.4%)

表面的な問題
業績悪化、事業縮小、競合優位性の喪

本質的な課題

  • 事業戦略の不明確さ(経営層が語らない)
  • 情報開示不足(若手に経営情報を共有しない)
  • 変化への対応力不足(新規事業・DX推進の遅れ)
  • 若手の意見を聞かない文化(トップダウン一辺倒)

表面的な施策が失敗する理由

よくある失敗パターン

失敗①:福利厚生の充実だけで解決しようとする

施策例:社員食堂、フィットネス補助、リモートワーク導入

失敗理由

  • 離職の本質は「人間関係」「成長実感」「承認」の欠如
  • 福利厚生は「不満足要因」の解消であり、「満足要因」ではない
  • 育成文化がない限り、離職は止まらない

データ: OpenWorkの調査で、若手社員が「離職を選ばなかった理由」の1位は「有給休暇を取りやすいから」(48.2%)だが、これは離職を防ぐ最低条件であり、定着の決定要因ではない。

失敗②:給与アップだけで解決しようとする

施策例:初任給5万円UP、賞与増額

失敗理由

  • 一時的に離職率は下がるが、根本解決にはならない
  • 「成長実感」「承認」が得られない環境では、結局転職を選ぶ
  • 市場価値とのギャップは、給与だけでは埋まらない

実例: IT企業A社は初任給を30万円→35万円に引き上げたが、3年以内離職率は40% → 38%とわずかな改善にとどまった。離職者の多くは「成長実感がない」「上司との関係」を理由に挙げた。

失敗③:1on1面談だけで解決しようとする

施策例:週1回の1on1面談制度導入

失敗理由

  • 面談の「やり方」を教えていない(上司のスキル不足)
  • 評価面談化している(承認ではなく課題指摘のみ)
  • 発達段階を無視した指導(全員同じフィードバック)
  • 面談後のアクションがない(話して終わり)

成功のポイント: 1on1は「ツール」であり、「育成文化」「承認文化」がベースにある前提で機能する。

失敗④:メンター制度だけで解決しようとする

施策例:若手社員1名に先輩社員1名をメンター配置

失敗理由

  • メンターの育成スキルが不足(教え方を知らない)
  • メンター自身が多忙で機能しない
  • メンター・メンティの相性が合わない
  • 制度だけ作って運用が形骸化

成功のポイント: メンター制度は、メンター自身の育成と**育成理論(発達段階に応じた指導)**がセットで必要。

失敗⑤:研修プログラムだけで解決しようとする

施策例:外部研修の受講、eラーニング導入

失敗理由

  • 研修と実務が連動していない(座学で終わる)
  • 研修後のフォローアップがない
  • 成長を承認する文化がない(できても評価されない)
  • 研修内容が発達段階に合っていない

成功のポイント: 研修は「育成文化」の一部であり、実務との連動段階的な成長設計承認文化がセットで必要。


育成設計という根本解決

なぜ育成設計が根本解決なのか

離職理由トップ7の共通項

  1. 人間関係 → 承認文化の欠如
  2. 労働条件 → 業務設計の問題
  3. 仕事内容 → 業務設計の問題
  4. 給与 → 評価制度の不透明性
  5. 成長実感 → 育成プログラムの不在
  6. 上司との相違 → マネジメントスキル不足
  7. 将来性 → キャリアパスの不明確さ

すべての原因は「育成設計の不在」に集約される

リラクション育成理論:成人発達理論に基づく4段階モデル

株式会社リラクションは、ロバート・キーガンの成人発達理論を基に、学生・若手社員向けに最適化した独自の4段階育成モデルを開発しました。

【参考:成人発達理論解説(C-BASE)

成人発達理論とは

ハーバード大学のロバート・キーガン教授が提唱した、大人の発達段階を5段階に分類する理論。各段階で認知・価値観・行動が異なり、発達段階に応じた育成・フィードバックが必要とされます。

育成設計の3原則

原則①:発達段階に応じたフィードバック

NGパターン

  • 段階1の社員に「自分で考えて」(→混乱する)
  • 段階3の社員に「言われたことだけやれ」(→やりがい喪失)

OKパターン

  • 段階1 → 具体的な手順を示す
  • 段階2 → 目標を設定し、達成方法は任せる
  • 段階3 → チームの期待を示し、役割を任せる
  • 段階4 → ビジョンを共有し、裁量を持たせる

原則②:承認と課題指摘のバランス

発達段階別の比率

段階承認課題指摘比率
段階180%20%4:01
段階270%30%7:03
段階350%50%1:01
段階440%60%4:06

重要:段階1で課題指摘が多いと、自己肯定感が下がり、離職リスクが急増します。

原則③:段階的な業務設計

段階1:簡単な業務から

  • アポ取り、データ入力、資料作成サポート
  • 成功体験を積ませることが最優先

段階2:成果が見える業務へ

  • 商談同行、リード育成、簡単な提案
  • KPI設定、目標達成の経験

段階3:裁量のある業務へ

  • 単独商談、顧客管理、チームリーダー
  • 他者と協働する経験

段階4:マネジメント業務へ

  • 後輩育成、プロジェクトリーダー、戦略立案
  • 自己実現と組織貢献の両立

長期インターンから始める育成文化の構築

なぜ長期インターンが育成文化構築の起点になるのか

理由①:育成前提でしか成立しない

新卒採用との違い

  • 新卒:即戦力化を期待しがち(OJTのみ)
  • 長期インターン:育成前提でないと機能しない

結果

  • 研修プログラム整備
  • 発達段階に応じた指導
  • 承認文化の醸成
  • マネジメント育成

→ これらが構築されると、新卒採用にも適用可能になる。

理由②:学生同士で育成する文化が生まれる

リラクションの実践例

  • 学生営業組織約30名を運営
  • 1年生→2年生→3年生の縦の関係
  • 上級生が下級生を育成する文化
  • 新人→リーダー→マネージャーの等級制度

効果

  • 育成スキルが組織に蓄積される
  • 上級生自身が成長する(教えることで学ぶ)
  • 承認文化が自然に醸成される
  • 社員の育成負担が軽減される

理由③:失敗を許容する文化が作りやすい

新卒社員の場合

  • 「給与を払っているのだから成果を出せ」というプレッシャー
  • 失敗を叱責されがち
  • 心理的安全性が低い

長期インターンの場合

  • 「学生だから失敗は当然」という前提
  • 失敗を学びの機会として扱いやすい
  • 心理的安全性が高い

結果

  • 失敗を恐れずチャレンジできる
  • 成長スピードが速い
  • 自己肯定感が高まる

長期インターンから新卒採用へのステップ

Phase 1:長期インターン組織の立ち上げ(3〜6ヶ月)

やること

  1. 業務設計・育成プログラム構築
  2. 採用・育成実践
  3. 発達段階に応じた指導の実践
  4. 承認文化の醸成

成果

  • インターン3〜5名が戦力化
  • 育成ノウハウの蓄積
  • マネジメント層の育成スキル向上

Phase 2:育成文化の社内展開(6〜12ヶ月)

やること

  1. 長期インターンで実践した育成プログラムを社員向けに適用
  2. マネジメント層への育成理論研修
  3. 承認文化の全社展開
  4. 発達段階に応じた評価制度の構築

成果

  • 新卒社員の定着率向上
  • 既存社員のエンゲージメント向上
  • 育成文化の定着

Phase 3:新卒採用への適用(12ヶ月〜)

やること

  1. 新卒採用プロセスに育成設計を組み込む
  2. 内定者フォローでの育成理論適用
  3. 入社後研修での発達段階別プログラム
  4. 長期インターンからの正社員採用

成果

  • 新卒3年以内離職率の大幅低下(34.9% → 10%以下)
  • 採用コストの削減(長期インターンからの採用)
  • 即戦力化(インターンで既に戦力化済み)

まとめ:若手離職を防ぐ本質的対策

若手離職の本質は「育成設計の不在」

離職理由トップ7の共通項

  • 人間関係 → 承認文化の欠如
  • 労働条件 → 業務設計の問題
  • 仕事内容 → 業務設計の問題
  • 給与 → 評価制度の不透明性
  • 成長実感 → 育成プログラムの不在
  • 上司との相違 → マネジメントスキル不足
  • 将来性 → キャリアパスの不明確さ

すべては「育成設計」で解決できる

育成文化構築の3ステップ

Step 1:育成理論の学習

  • リラクション育成理論(成人発達理論ベース)
  • 発達段階別の育成・フィードバック方法
  • 承認と課題指摘のバランス

Step 2:長期インターンでの実践

  • 小さく始める(3〜5名)
  • 育成プログラム構築
  • 承認文化の醸成
  • マネジメント層の育成スキル向上

Step 3:全社展開

  • 新卒採用への適用
  • 既存社員への適用
  • 育成文化の定着
  • 離職率の大幅低下

今すぐできる3つのアクション

アクション①:自社の離職理由を正確に把握する

  • 離職者へのヒアリング(本音を引き出す)
  • 在籍者へのエンゲージメント調査
  • 離職理由トップ3を特定

アクション②:マネジメント層の育成スキルを診断する

  • 発達段階に応じた指導ができているか
  • 承認と課題指摘のバランスは適切か
  • 1on1面談は機能しているか

アクション③:長期インターン導入を検討する

  • 実施可能性診断(自社が導入可能か5分で判定)
  • 無料相談で具体的な導入プランを提案
  • 小さく始めて、成果を見てから拡大

無料個別相談(30分)

こんな方におすすめ

  • 「自社の離職理由を分析してほしい」
  • 「育成プログラムの作り方を相談したい」
  • 「長期インターン導入の詳細を聞きたい」
  • 「リラクション育成理論を詳しく知りたい」

相談内容例

  • 離職理由の分析・診断
  • 育成プログラム設計サポート
  • 長期インターン導入シミュレーション
  • マネジメント層の育成スキル向上支援

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